残っている歯が多い場合でも、そのすべての歯が健康な状態とは限りません。

ある歯はしっかりとしていても、別の歯は歯周病でぐらぐらしていることがよくあります。

すべての歯の状態にあわせてどの歯に負担をかけるようにするかを設計していくことは非常に難しいばかりでなく、元々は健康であった歯に負担をかけすぎて短期間にぐらぐらとなってしまうことがあります。

こうした弊害をなくして、すべての歯の固定効果と将来どの歯がだめになっても最初の義歯をそのままお使いいただけるタイプの義歯、それがエレクトロフォーミングテレスコープシステムです。製造工程の装置の違いなどによって、

  • ガルバノ(Galvano)テレスコープ義歯
  • AGC(Auro Galvano Crown)テレスコープ義歯
  • GAMMAT®テレスコープ義歯

と呼ばれることもあります。

残っている歯に筒状の内冠と呼ばれる冠をかぶせ、その内冠に24金を高精度に蒸着適合させて外冠と呼ばれるものをつくります。

それが勘合した時、水分が介在しない場合にはそれほど維持力がないものが、唾液等の水分を介在させますと、突然しっかりとした勘合力がそこに生まれてきます。

たとえてみますと、ガラスの板を2枚重ねた場合、その2枚が乾燥している場合にはすぐはがせるものが、一滴でもそこに水分が介在した場合には強力な維持力の下、すぐにははがせなくなるのはご存知でしょう。

それとかなり似ている感じの維持力です。外冠と一体化した義歯はその維持力によって口腔内にて落ちないでしかもはずす時は着脱方向に下げていただければ変に無理な力が内冠(ご自分の歯の根っこ)にかからずにすみます。

先に登場しているコーヌステレスコープと言われているものとは形は似ていますが維持の仕方がまったく違っています。

またそれだけではなく、ある程度歯周病で弱ってしまっている歯に対してもその土台としての参加が可能となるために、ほとんどすべての症例に対応できる方法として欠点を克服して進化したタイプと言えるでしょう。

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