歯の形は個人個人によって微妙に違っており、その凹凸には大きな意味がかくされています。その形と位置は顎の成長とリンクしながらできあがっていきます。

その凹凸の表面のことを私たちは咬合面とよびます。

私たちは食事する時の咀嚼効率を高めるためには、歯につけるその咬合面の彫り込みの角度をできるだけ急傾斜にしたほうがよいです。

急にしすぎると弊害が

しかし、その角度をあまり急にしすぎますと今度は歯を横に動かした時に干渉をおこしやすくなってしまう。なので、顎に大きな負担がかかりやすくなってしまうという弊害がおきてしまいます。

緩やかでも弊害が

逆に咬合面に付ける凹凸の角度をゆるやかにすると、歯を動かした時に干渉はしにくくなるのですが歯そのものに対して物をか みこむたびに負担過重になって長期的には歯槽膿漏になってしまうのと、顎の位置が不明瞭になり、それを支える関節の靭帯 がゆるんでくるといった危険があります。

個人の顎の動く角度を考えながら手間暇かけて作ります

18-1そのために大きい部分の歯を失ってしまった場合それを再現するためには単純に勘だけにたよってつくられたかぶせ物がいまひとついつまでもしっくりこないことがおきてしまいます。

しっかりとした手順で作られる歯の咬合面はあらかじめそのかた個人の顎の動く角度を考慮にいれて注意深くワックスといったロウを用いて作られいくのですが、それにはとてつもない手間隙がかけられて作られる事実があまり知られていないのが現状のようです。

自費で作る場合このような手間による部分もあることをぜひ知って下さい

18-2

自費治療で機能を重視して作られる歯がどうして高くなってしまうかには、こうした背景が大きいのですが、一般的には材質の性状(ゴールドなのか、セラミックなのか、プラスティックなのかといったものの違い)で比較がされているのが現状なので残念です。

18-3保険治療などでは、かぶせ物をたくさんしかも早く作らなければならない現状にあって、歯科技工士さんが歯科医師から怒られないようにかぶせ物を無難に咬合面形態をあまくメリハリのない形態で作っている現状は非常に遺憾であり、長期的にはこのことで引き起こされている歯槽膿漏や顎の違和感がかなりあるものと 個人的には危惧しております。