神経の無い歯とある歯の違い

むし歯や歯槽膿漏がひどくなってしまい、歯の神経をとることになることはよくあります。神経をとられた歯のことを失活歯(しっかつし)とよび、生きている生活歯(せいかつし)と比べた場合、次のような問題があります。

  1. 生活歯に比べて強度が下がる(木にたとえるならば失活歯は枯れ木のようなもの)
  2. 失活歯は経年変化で黒ずんでくる
  3. 感覚が生活歯より鈍くなっている

問題点の1.と2.に対応するために、基本的には失活歯に対しては、その次に行う処置は補強するために土台を作って、かぶせ物をしてカバーするクラウンとよばれるもので対応します。

つまり、生活歯の治療の場合、悪いところを削り取ったあとは、そこを樹脂で埋めるか、そこの部分の型をとってかぶせ物をして治療が終了するのに対して、失活歯の場合にはまず補強材でまず補強する作業が先に必要となってきます。

また、失活歯の場合には歯質の強度が減少しているために、かけやすい状態となってきます。なので、同じくらいの大きさの虫歯でも、余分に削られることがかなり多いのが現状です。

ご自身の大切な歯質はできる限り残したいと考えるあまり、奥歯などの何十キロという咬合力の大きくかかる場所において一部分のみの(インレータイプとよぶ噛むところの場所の内側部分にはめ込むような形の詰め物)処置をしてあったために、処置後少し経過して使っている間に、そこから歯に亀裂が入って、半分に割れてしまうような危険があります。

かぶせ物の種類にはいろいろな素材がありますが、健康保険の場合には基本的に奥歯はすべて銀歯で、前歯も銀歯と同じ金属にプラスチックが張り付けてあるものと最初から決められてしまっています。です。なので、どうしても口をあけた時に銀色の金属部分が見えてしまう場合が少なくありません。

歯科の素材は日進月歩で新素材が登場してきているために、生きている歯と全く分からないように失活歯を修復することも可能となってきました。