40代、50代になったときに補綴(かぶせ物や入れ歯)がかなり多くなってしまっている方のほとんどが、現状の噛み合わせが骨格的にも、歯列的にも不調和の方がとても多いのに気づかされます。

それ以上増やさないためにはどうすれば?一般的に言われること

虫歯予防、歯周病予防が大切…と歯のケアに関するCMは多く聞かれます。

そして歯科医からは一般的に予防法として

  • 歯の表面だけでなく歯肉との境目を丁寧に磨くこと
  • 食生活を正しく何でもしっかりと噛んで食べること
  • 定期的に歯科健診を行って汚れやバイオフィルムをとってもらうこと

など言われているものです。

どの方法も正しいのですが、もう一つとても大切な予防があります。

それが調和のとれた良好な噛み合わせです。

良好な噛み合わせが予防になる理由

人は前歯で物を噛みついて大きなものを小さくして、奥歯ですりつぶすようにしてものを食べています。

前歯、奥歯にはそれぞれの大きな役目があります。上下合わせて親知らずを入れなければ28本の歯があるのですが、どの歯もそれぞれの役割が決まっています。

また、悔しかったり、緊張したりする場面や、夜中に無意識であっても、歯ぎしりを良くします。その際に、前歯、奥歯それぞれが連携をとれた働きを分担していない場合、つまり歯並びが悪い場合には、何らかの形でどこか別のところが余分な作業を引き受けなくてはならなくなります。

その結果特定の歯がぐらぐらしてきたリ、欠けてきたリ、顎が痛くなったり、かた噛みで肩が凝ったりといろいろな不調和が始まります。

抜歯したり補綴物を入れても、根本的に噛み合わせが解決していないと…

歯はダメになって抜歯されると、今度は入れ歯やかぶせものなどで補う必要が出てきますが、もともとのかみあわせの悪い状態のまま、抜かれてしまったところだけを補っても再度同じ理由でそこからダメになることがよくあります。

そもそも、噛み合わせの修正をして前歯と奥歯の連携がとれた状態に噛み合わせを補正することが最初に必要だからです。

若いころは忙しくて歯の事まで気が回らなかった結果、あるいは親御さんが自分の子供の歯並びのことまで気にしてくれなかった結果かもしれません。

出たとこ勝負のような治療ばかりであちこち治されても、また少したってからやり変えになることが多いというのは、そもそもそういった本来の総合的な歯科治療について時間をかけて説明してくれる医師が少ないこともあるでしょう。

矯正の先生は歯並びを治す際にあらかじめいろいろな資料を採得して、その方の歯列の不調和の原因を見つけて歯を動かしていきます。

つまりその方その方の骨格に調和した噛み合わせに近づけようとする矯正治療とは、そういった意味で、長期的に見た場合には、将来のご自分の歯を守る最大の予防治療ということにもなります。

噛み合わせに気をつけることは、長い目で見て様々なメリットがある

今痛くないからちょっと出っ歯でもいいやとか、奥歯が噛みにくいけど見えないからほっておいてもいいや…とした結果、歯を失ってインプラントや入れ歯やかぶせものが必要になる。

そうであれば、手術もしない歯も削らなくていい矯正だけをして噛み合わせを整え、将来はどこも削ったりしないでクリーニングメンテナンスだけで歯科医院に通院していただく…というやり方が理想的だと言えます。

欧米では、エグゼクティブのご家庭ではそのことにご両親がしっかりと気付いているために、子供さんを早いうちから矯正治療に連れていくことが多いようです。

お子様をお持ちのご両親様も、そのようなことをぜひ押さえて頂ければ幸いです。